子どものいないご夫婦から、「私たちに死亡保険は必要でしょうか」という
ご相談をいただくことがあります。
子どもがいないから死亡保険は不要と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。
家計の状況や働き方、住まい、相続などによって必要な備えは異なるからです。
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死亡保険が必要かどうかは、ご夫婦の働き方や家計の状況によって異なります。
例えば、次のようなケースで考えてみましょう。
(事例)
相談者:Yさん(48歳、会社員)
家 族:夫(52歳、会社員)
住 居:持ち家(夫名義、住宅ローンの返済まであと13年)
【加入している保険】
夫 : 主な契約は死亡保険(1500万円)
特約として入院・手術がプラスされています
Yさん: 医療保険のみ。死亡保険には加入していません
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ご主人が加入している保険は20代のころに契約したもので、
保険金の受取人は義母のままになっていました。
Yさんへ変更する予定ですが、
「そもそも子どものいない夫婦に死亡保険は必要なのだろうか」
と疑問に思い、ご相談に来られました。
【回答】
死亡保険は、万が一のときに残された家族の生活を経済的に支えるための金融商品です。
つまり、「自分が亡くなったあとに、経済的に困る人がいるかどうか」が、
加入の必要性を判断する最大の基準となります。
現在の死亡保険金の受取人は、義母。
例えば、義母の介護施設など生活費の支払いを夫がしているなら、
万が一先に亡くなった場合を想定し、
受取人を義母のままにして保険加入を続ける必要があるでしょう。
今回はYさんに受取人変更を検討しているので、
Yさんが一人になった時に経済的に困るかどうかが問題になります。
Yさんは会社員として収入があり、住宅ローンには団体信用生命保険が付いています。
また、遺族年金も受取れるため、ご主人に万一のことがあっても、
直ちに生活が立ち行かなくなる状況ではなさそうです。
ただ、死亡保険には「生活を守るため」以外の役割もあります。
例えば、
・葬儀費用など、急な出費に備えたい
・配偶者にまとまった資金を残したい
・主な資産が不動産の場合、相続税の納税資金を準備したい
など、将来想定される支出や課題を見据えて、
死亡保険が必要かどうかを検討しましょう。
子どものいない夫婦の場合は、親や兄弟姉妹との関係も含めて、
どのように財産を残したいかを考えておくことも大切です。
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Yさんが亡くなったときは?
ここまでは、ご主人が先に亡くなった場合について考えてきました。
では、Yさんに万一のことがあった場合はどうでしょうか。
夫婦ふたりの収入で家計を支えている場合、
残されたご主人への影響も考えておく必要があります。
ご主人は住宅ローンや生活費を負担しながら、
これまでYさんが担っていた家事などにも対応しなければならないかもしれません。
一度、Yさんが負担している生活費や家事を書き出し、
ご主人ひとりでできることと、外部の力を借りたいことを整理してみましょう。
そうすることで、本当に必要な備えが見えてきます。
外部の力を借りる際には、その分の支出も考慮してください。
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保険金を受け取っても、使えない人がいる現実
ここまで保険の必要性について考えてきましたが、実はもうひとつ考えておきたいことがあります。
それは、死亡保険金を受け取っても、そのお金を使えない人が意外と多いということです。
私が相談を受ける中でも、
「夫が残してくれたお金だから使えない」
「このお金は手を付けずに置いておきたい」
と伺うことがあります。
特に子どものいない夫婦の場合、保険金の全額を配偶者が受け取るケースが多いのですが、
生活のために残されたお金であっても、使うことに「ためらい」があるようです。
もちろん、その気持ちは大切にすべきです。
使わずに持っていてもいいし、
自分のために使いたいと思えたなら、使っていいのだと思います。
そのお金は、「あなたが幸せでいるためのお金」なのですから。
子どものいない夫婦に死亡保険は必要か――。
この問いに対して、私は基本的には「残された人が生活に困らなければ必要ない」と考えます。
ただし、相続対策など、生活保障以外の目的がある場合は継続する選択肢もあります。
将来にわたって起こりうるリスクや、ご家族の状況によって、その判断は異なります。
重要なのは、誰のために、何のために保険をかけるのかということ。
また、死亡保険を残すのであれば、そのお金に込めた想いや、
どのように使ってほしいのかを伝えておくことも、残された人への備えのひとつではないでしょうか。
このコラムが、大切な人と一緒に将来について考える機会になればうれしく思います。
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つじもとFP事務所 辻本由香
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執筆者:辻本由香






















