先日、女性起業家が集まる会で、「法律婚」と「事実婚(内縁)」の違いは何ですか?
という質問をいただきました。
近年は、さまざまな価値観やライフスタイルが広がり、事実婚を選ぶ方も増えています。
一般的には「事実婚」と「内縁」はほぼ同じ意味で使われていますが、
本記事では、婚姻届を提出せず夫婦として生活している関係を「事実婚(内縁)」としてご紹介します。
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「法律婚」とは
お互いが結婚する意思を持ち、婚姻届を提出して受理されることで、法律上の夫婦となる制度です。
「事実婚(内縁)」とは
実質的には夫婦として生活していても、婚姻届を提出していないため、法律上の夫婦ではない関係をいいます。
つまり、大きな違いは「婚姻届を提出しているかどうか」です。
「それだけ?」と思われるかもしれませんが、この違いによって受けられる制度や権利に違いが生じます。
では、日常生活にはどのような影響があるのでしょうか。
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◇事実婚でも認められること
法律上の夫婦ではありませんが、一定の条件を満たせば、法律婚と同様に取り扱われる制度もあります。
1.社会保険
社会保険制度では、一定の条件を満たせば事実婚のパートナーも法律婚と同様に取り扱われます。
例えば、
・健康保険の扶養
・国民年金第3号被保険者
・遺族年金
などの対象となる場合があります。
なお、加入している健康保険や年金制度への届出が必要であり、収入などの条件もあります。
2.公営住宅
市営住宅や県営住宅などでは、事実婚のパートナーと一緒に入居できる場合があります。
ただし、自治体によって取扱いが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
【 事実婚と認められるための条件 】
社会通念上、夫婦として共同生活を送っていることが必要になります。
例えば、
・住民票を同一世帯とし、続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」としている
・生活費を分担している
・家計を共にしている
・周囲から夫婦として認識されている
などが判断材料になります。
一方、婚約中の同棲は一般的に事実婚とは区別されます。
◇法律婚でしか認められないこと
1.税制上の優遇
法律婚では、
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・相続税の配偶者控除
などの制度を利用できます。
一方、事実婚のパートナーは法定相続人ではありません。
また、遺言書によって財産を受け取ることはできますが、
法律婚の配偶者に認められている相続税の優遇制度は適用されません。
2.子どもの法律上の親子関係
事実婚で子どもが生まれた場合、母親は法律上の親となりますが、
父親は認知をしなければ法律上の親にはなりません。
3.自治体独自の制度
不妊治療などの助成制度では、事実婚を対象としている自治体もありますが、
対象や条件は自治体によって異なります。
◇規定によって認められるもの
勤務先や契約内容によっては、事実婚でも利用できる場合があります。
・会社の家族手当
・民間保険の死亡保険金の受取人
・死亡退職金
・携帯電話などの家族割引
制度ごとに取扱いが異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
◇どんな人が事実婚を選んでいるのでしょうか

事実婚を選ぶ理由はさまざまです。
例えば、
・結婚という制度に縛られたくない
・仕事上、苗字を変えたくない
・面倒な氏名変更の手続きを避けたい
・家族の反対などで、法律婚に踏み切れない
などがあります。
私の周りでは、自分たちが納得できる生き方として
事実婚を選んでいる方が多いように感じます。
◇事実婚を選ぶときの注意点
1.医療の場面
近年では、事実婚のパートナーを家族として対応する医療機関も増えています。
一方で、面会や病状説明、手術への同意などは病院ごとの運用によって異なる場合があります。
急に手術が必要な場合となっても、家族として同意書にサインできなかったり、
介護施設への入居を検討した際に、「ご夫婦ではないため同室での入居はできません」と
説明を受けたケースもありました。
病気や震災を機に籍を入れる人が増えるのは、このようなことも影響しているのかもしれませんね。
万一のときに慌てないためにも、普段から話し合いをしておくと安心です。
2.関係を解消するとき
事実婚にも婚姻に関する規定が準用されます。
そのため、不貞行為などを理由に一方的に関係を解消した場合には、
慰謝料を請求できる場合があります。
また、二人で築いた財産については、
関係を解消する際に財産分与を請求できる場合もあります。
住民票を同一世帯にし、続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」としておくことで、
事実婚の関係や期間を公的に証明しやすくなります。
◇子どものいない夫婦だからこそ考えておきたいこと
子どものいないご夫婦のご相談で、よく話題になるのが、
「どちらか一人になったとき、誰が支えてくれるのか」ということです。
法律婚であっても事実婚であっても、年齢を重ねるにつれて、
医療や介護、相続、住まいなど、家族としての立場が問われる場面は少なくありません。
特に事実婚の場合は、認知症などで判断能力が低下したときに備え、
財産管理や各種手続きをどのように行うかを考えておくことが大切です。
状況に応じて任意後見契約を検討するとともに、
将来の相続に備え、遺言書を作成しておきましょう。
どのような形で人生を歩むかは人それぞれです。
ご自身の価値観に合った暮らし方を選ぶとともに、
その暮らしを守るための備えについても、早めに考えておきたいですね。
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