「がん」になったことをきっかけに、離婚する方からのご相談が増えています。
財産分与について、前回に続き、離婚とお金問題をご紹介します。
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がんと向き合うFP 辻本由香です。
乳がんになった経験をもとに、
「がんとお金」「がんと仕事」の講演や個別相談を行っています。
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ご相談が多い内容は、下の3つです
① 自分だけの収入で、治療費と生活費を払っていけるかどうか
② 財産分与はどういったものがあるか
③ 年金分割について
このページでは、③について解説します。
③ 年金分割について
☆ 年金分割とは
夫婦が結婚している間に築いた財産は、夫婦ふたりの共有財産として扱われます。
年金分割は、年金も共有財産のひとつとして、
おふたりの婚姻期間中の厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができます。
受け取る金額は、ご家庭ごとに違います。
☆ 年金分割の種類
分割の種類は合意分割と3号分割の2つです。
① 合意分割
ふたりが婚姻期間中に納付した厚生年金記録を分割できます。
分割割合は夫婦間の話し合い(合意)によって決まり、上限は5割(50%)です。
例えば
婚姻期間中の標準報酬を計算し、夫は700万円、妻は300万円の 合計1000万円だったとします。
分割割合が40%だったとすると
妻は1000万円×40%で 400万円、夫は600万円になる計算です。
金額の多い方から少ない方に年金が移動するので、今回の例では夫から妻に年金が移動します。
大きな金額ですから、夫はすんなり納得できないかもしれません。
合意をすることが難しい場合は、調停や審判といった裁判手続きを利用して按分割合を決定します。
なお、合意分割は平成19年4月1日以後に離婚している方が利用できる制度ですが、
事実婚関係を解消した方(事実婚関係にあった間に、おふたりの一方が国民年金の
第3号被保険者であった場合のみ)も利用できます。
② 3号分割
話し合いを極力避けたい場合には、3号分割を検討しましょう。
3号分割のみ請求する場合には合意は必要ありません。
国民年金第3号被保険者であった方の手続きによって 年金分割が認められます。
*国民年金第3号被保険者とは、厚生年金保険の被保険者の被扶養配偶者で、20歳以上60歳未満の人です。
*分割の対象は2008年4月以降の第3号被保険者であった期間分のみです。
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【 注意点 】
① 年金分割の対象となるのは「婚姻期間中」の「厚生年金の部分」です。
婚姻期間が短かければ、受けとる額は少なくなりますし、
場合によっては受け取る側ではなく支払う側になるかもしれません
生涯に渡り老後の生活に影響を及ぼすため、よく考えて分割の請求をしましょう。
② 請求できる期間
合意分割制度、3号分割制度ともに請求可能な期限は2年以内です。
なお、配偶者死亡の場合は、その日から数えて1カ月を過ぎると請求できなくなります。
③ 請求手続きが必要
年金分割をするには、年金事務所で請求の手続きが必要です。
詳細は、日本年金機構のページをご参照ください → 離婚時の年金分割
☆ 年金分割のご相談は、年金事務所と弁護士さんに!
離婚に関する法律相談や、配偶者との交渉はFPでは対応できかねます。
離婚に強い弁護士さんに、できれば早めに相談することをお勧めします。
受取額の試算は、年金事務所に問い合わせをすると確実です。
ご自身と配偶者の「ねんきん定期便」、または「年金手帳」をご用意ください。
がんになっただけでもしんどいのに、交渉なんて面倒!という気持ちもわかります。
ただ、年金は、生きている限りずっともらえるお金です。
家計の下支えになるお金なので、面倒だと思わずにご検討ください。
生活の変化に伴う家計等のシミュレーションはファイナンシャルプランナーの得意技です。
お困りのことやご不安なことがありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
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がんになったことで感じる痛みをトータルペイン(全人的苦痛)といいます。
ひとりでいろいろ考えることが難しい。
そんな時は弊社の 個別相談 をご活用ください。
患者さんやご家族の伴走者として、可能な範囲でサポートいたします。
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知識を得ることは、人生を豊かにします。
皆さまのお役にたちましたら幸いです。
がんと向き合うFP 辻本由香
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