がん患者さんの離婚とお金問題①

  「がん」になったことをきっかけに、離婚する方からのご相談が増えています。
   家族にわかってもらえないつらさと、支える側の家族の苦悩。
   
いつしかお互いの心に温度差が生まれ、距離ができてしまうようです。

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      がんと向き合うFP  辻本由香です。

      乳がんになった経験をもとに、

    「がんとお金」「がんと仕事」の講演や個別相談を行っています。    

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    ・もともと感じていた性格や価値観の不一致を、がんになったことで表面化した方

    ・お互いを思いやる気持ちが強すぎて、言いたいことが言えなかったり、
     心配しすぎてうっとうしがられたりして、いつの間にか気持ちが離れていった方

    ・あなたが使った治療費があれば、海外旅行にも行けたのに。
     もういい加減治療止めたら?と言われた方
 

     など、配偶者や家族との関係がストレスの原因になっています。


    ご相談が多いのは、下の3つです
 

     ① 自分だけの収入で、治療費と生活費を払っていけるかどうか

     ② 財産分与はどういったものがあるか

     ③ 年金分割について

     このページでは、①について解説します。

 

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   ① 自分だけの収入で、治療費と生活費を払っていけるかどうか

    がん治療のお金の相談では、1~2年程度の期間でお金の流れがわかるキャッシュフロー表を作成しています。

   

    がん治療は、患者さんへの負担や効果を確認しながら行うため、薬剤を変更することがあります。
    また、休職や時短勤務など働き方によって収入も変化するので、長期で作成しても途中変更が伴うからです。
  

    ただ、離婚後のシミュレーションについては、30~50年の長いスパンで見ていきます。  
    医療費だけでなく、老後の生活や介護なども考慮して暮らしていけるかを見ていくためです。

    今後の働き方や体調面、貯蓄がいくらあるかも大切な要素です。

 

    キャッシュフロー表を作成した結果、

     実家に帰ることを選択した人や、「どれだけ苦しくてもひとりで生きる」ことを選んだ人もいます。

     離婚を考えるのは行き過ぎたと冷静になった人も。

     どれが正解ではなく、納得して選んでいただけたらなと思います。

    *キャッシュフロー表はあくまでも、今現在の情報で作成したものです。
     状況が変わると結果も変わりますので、おおよその目安と考えてください。

 

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    がんになったことで感じる痛みをトータルペイン(全人的苦痛)といいます。  

    ひとりでいろいろ考えることが難しい。

    そんな時は弊社の 個別相談 をご活用ください。

    患者さんやご家族の伴走者として、可能な範囲でサポートいたします。

  

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      知識を得ることは、人生を豊かにします。
      皆さまのお役にたちましたら幸いです。

      がんと向き合うFP    辻本由香 

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       著作権はつじもとFP事務所に帰属します  ●執筆者:辻本由香       


    「がんを生きぬくお金と仕事の相談室」を河出書房新書から出版しました。

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      制度面だけでなく、いろんな角度からお伝え出来ることはないか模索してできた本です。     
      ゲノム医療や妊孕性、気持ちの保ち方などにも触れ、
    「よくあるノウハウ本ではなく、血の通った本」との声をいただいています。