がん患者さんのコロナショックの乗り切り方


 日に日にコロナウイルス感染症の影響が広がっています。

 そこで、今できる対策について、治療気持ちお金 の面からお伝えします。

 少しでも不安やストレスが軽くなることを願って。

  *2021年1月22日時点の情報に修正しています。

 

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      がんと向き合うFP 辻本由香です。

      乳がんになった経験をもとに、

    「がんとお金」「がんと仕事」の講演や個別相談を行っています。    

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  治療について 】    

    スーパーや薬局への生活必需品の買い物や、通院は
    不要不急の外出には
あたらないとされています。 

 
    それでも、抗がん剤など治療中の患者にとって
    通院は、リスクの高い行動だといえるでしょう。

  

    そこで、

    薬の投与日数を増やして、次回の受診までの間隔をあける  

    ② 電話や情報通信機器を用いた診療での処方を行い、ファクシミリ等で薬局に処方箋情報を送付 

     *慢性疾患等を有する定期受診患者等が継続的な医療・投薬を必要とする場合のみ。
      慢性疾患に「がん」を含むかどうかの判断は医療機関によって異なる(2020/4/3現在)

    などにより、通院の頻度を変えられないか主治医に相談してみてはどうでしょうか。

 

    抗がん剤治療など、どうしても通院が必要な場合は、
    患者さんが少ない時間帯を聞くなど、できる工夫はないか確認しましょう。

    また、医療者がコロナに感染したり、感染者を受け入れたりして病院が閉鎖になることで、
    一時的に他の医療機関を受診することがあるかもしれません。

   

    万が一に慌てずにすむよう、どう行動するか主治医の意見を聞いておくと安心です。
     

    自分のことは自分で守る!ですね。

 

      

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  気持ちについて 】

   ただでさえ、治療中は気が滅入りがちです。

   それなのにテレビはコロナのことばっかり・・・ますます元気がなくなりますね。

   自分で自分のご機嫌を取るには限界があるので、こんなときは誰かのチカラを借りるのも手です。

 

   私は嵐ファンなので、DVDを観て気を紛らわせていますが、

   患者仲間には対戦型のオンラインゲームを楽しんでいる人もいます。

   また、Zoomなどビデオ会議アプリを利用して家にいながら友達や患者仲間と

   繋がることもできます

 

   気晴らしに、ちょっと身体を動かすこともオススメです。

   しんどいときは特に、心をひとりにしないように気をつけましょう。

   あまりにもしんどい時が続くようでしたら、病院の緩和ケア外来を受診してください。
 

   専門家の支援を受けることも検討しましょう。

 

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  お金について 】

    生活費に加え、治療費の負担もあるがん患者にとって、
    今回のコロナウイルス感染症の影響は大きな問題です。
    使える制度や支援策を知ることは、家計を支える効果があります。   

    

    それでは、収入支出のふたつの視点から考えていきましょう。

    ☆ 収入

    ・お勤めの方

     勤務先が休業に追い込まれ、しばらく働けない状態になっている場合、
     休業手当をもらえるかどうかがポイントです。

     参照: 雇用調整助成金 厚生労働省 

 

                    新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置が拡大され,   
                    雇用保険被保険者でない労働者(パートやアルバイトなど)の休業手当は
            「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。

           * 助成の内容や申請先等は雇用調整助成金と同様です。

     〇 生活を支えるための支援策
                         生活を支えるための支援のご案内   (
厚生労働省)

  

    ・自営業や企業対象の支援

     
      〇 新型コロナウイルス感染症関連 (経済産業省)が、参考になります。

       
     
 

     制度を活用したいときは、二度手間にならないよう、
     各サイトや電話で、要件や対象を確認しましょう。

     制度の対象にあてはまる場合は、印鑑や切手など必要なモノやコトも調べておきましょう。
     その際は、できるだけ外出を控えるために、郵便で受け付けができるかも確認してくださいね。

 

     また、家にいる時間を利用して、不用品のフリマアプリ出品やアンケートモニターなどを活用し
     収入を増やすのも手です。

 

    ☆ 支出

         
     制度の活用にプラスして、スマホ料金(有料オプションなど)等の

     見直しすることも非常事態を乗り切るために有効です。

     また、カードローンの借り入れやリボ払いを安易に利用しないよう、
     家計管理も大事ですね!

 

 

      この他、

     〇  困窮者支援情報共有サイト~みんなつながるネットワーク~(厚生労働省)

      緊急事態宣言を踏まえた追加支援策のご案内 (厚生労働省)

     も、参考になります。

 

     使える制度がわからなかったり、
     ひとりでいろいろ考えることがストレスになる方もいるでしょう。
     そんな時は個別相談をご活用ください。   

     新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないため、
     しばらく対面でのご相談は控え、Zoomにて対応いたします。  

     どうか皆さま、くれぐれも体調管理にはお気を付けください。

 

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      知識を得ることは、人生を豊かにします。
      皆さまのお役にたちましたら幸いです。

      がんと向き合うFP    辻本由香 

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      許可なく本コラムの内容の複製・転載、および転送を禁じます。 ●執筆者:辻本由香       


     「がんを生きぬくお金と仕事の相談室」を河出書房新書から出版しました。

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       制度面だけでなく、いろんな角度からお伝え出来ることはないか模索してできた本です。     
       ゲノム医療や妊孕性、気持ちの保ち方などにも触れ、
      「よくあるノウハウ本ではなく、血の通った本」との声をいただいています。